性感染症
性感染症(STD)は、性行為によって感染するさまざまな病気の総称です。近年、感染者数は増加傾向にあり、特に若い世代での感染が深刻な問題となっています。性感染症は、放置すると不妊の原因になったり、重篤な合併症を引き起こしたりすることがあります。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要です。当院では、患者様のプライバシーに配慮し、安心してご相談いただける環境を整えています。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
性感染症の症状
性感染症は、感染する病気の種類によって様々な症状が現れます。主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 性器の痛みやかゆみ
- おりものの異常(量が多い、色が変わった、においが強いなど)
- 性器のただれや潰瘍
- 排尿時の痛み
- 下腹部の痛み
- 発熱
- リンパ節の腫れ
これらの症状は、性感染症以外の病気でも見られることがあります。しかし、少しでも気になる症状があれば、早めに受診することが大切です。
性感染症の種類
性感染症には、様々な種類があります。代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。
- クラミジア感染症・・日本で最も多い性感染症。自覚症状がないことも多いですが、放置すると不妊の原因になることがあります。
- 淋菌感染症・・クラミジア感染症に次いで多い性感染症。男性の場合は排尿時の強い痛み、女性の場合はおりものの増加が見られます。
- 性器ヘルペス・・性器やその周辺に水疱ができる病気。再発を繰り返すことがあります。
- 尖圭コンジローマ・・性器や肛門周辺にイボができる病気。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。
- 梅毒・・かつて「不治の病」と恐れられた性感染症。近年、再び感染者数が増加しています。
- HIV感染症(エイズ)・・免疫機能を破壊するウイルスに感染する病気。適切な治療を行えば、発症を遅らせることができます。
- トリコモナス症・・原虫による感染症。女性に多く、おりものの増加やかゆみが見られます。
性感染症に関する検査
性感染症の検査は、主に以下のような方法で行われます。
- 問診
- 視診
- 培養検査・・おりものや尿などを採取し、病原体を培養して調べます。
- 抗原検査・・おりものや尿などから、病原体の抗原を検出します。
- 血液検査・・梅毒やHIV感染症などの検査で行われます。
検査の種類は、疑われる病気によって異なります。当院では、患者様の症状や状況に合わせて、適切な検査をご提案いたします。
性感染症の治療法
性感染症の治療法は、原因となる病原体によって異なります。主な治療法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 抗菌薬・・クラミジア感染症や淋菌感染症などの細菌感染症
- 抗ウイルス薬・・性器ヘルペスなどのウイルス感染症
- 抗真菌薬・・カンジダ膣炎などの真菌感染症
- その他・・尖圭コンジローマには、塗り薬や液体窒素による焼却、手術などが行われます。
治療期間や方法も、病気によって異なります。医師の指示に従って、きちんと治療を受けることが大切です。また、パートナーがいる場合は、パートナーも一緒に検査・治療を受けるようにしましょう。
性感染症についてのよくある質問
Q1. 性感染症は自然に治りますか?
A1. いいえ、自然に治ることはありません。放置すると症状が悪化したり、不妊の原因になったりすることがあります。必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。
Q2. 性感染症は一度かかったら二度とかからないのですか?
A2. いいえ、一度治っても、再び感染する可能性があります。性行為の際には、コンドームを使用するなど、感染予防に努めましょう。
Q3. 症状がない場合でも、検査を受けるべきですか?
A3. はい、性感染症の中には、自覚症状がないものもあります。特に、不特定多数の相手と性行為をしている場合は、定期的に検査を受けることをおすすめします。
院長より
性感染症は、誰にでも起こりうる病気です。決して恥ずかしいことではありません。大切なのは、早期発見・早期治療です。当院では、患者様一人ひとりの状況に合わせた、丁寧な診療を心がけています。不安なこと、心配なことなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。