糖尿病
「糖尿病」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、どんな病気か詳しくご存知でしょうか?糖尿病は、インスリンというホルモンの作用が不足することで、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態になる病気です。初期にはほとんど自覚症状がないため、気づかないうちに進行してしまうことも少なくありません。しかし、高血糖の状態が続くと、様々な合併症を引き起こし、健康を大きく損なう可能性があります。
当院では、内科と産婦人科が併設されているため、女性特有のライフステージ(妊娠・出産・更年期など)における糖尿病の管理にも力を入れています。特に、妊娠糖尿病は、母体だけでなく胎児にも影響を与える可能性があるため、早期発見と適切な管理が非常に重要です。また、糖尿病の治療だけでなく、生活習慣の改善や合併症の予防にも力を入れ、患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。オンライン診療も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
糖尿病の症状について
糖尿病の初期には、自覚症状がほとんどないことが多いです。しかし、血糖値が著しく高くなると、以下のような症状が現れることがあります。
- 口渇(のどの渇き)・・異常にのどが渇き、水分をたくさん摂りたくなります。
- 多飲(水分を多く摂る)・・のどが渇くため、水分摂取量が増えます。
- 多尿(尿の回数や量が増える)・・血糖値を下げるために、余分なブドウ糖を尿として排泄しようとするため、尿の量や回数が増えます。
- 体重減少・・ブドウ糖がエネルギーとして利用されにくくなるため、体重が減少することがあります。
- 倦怠感(だるさ)・・エネルギー不足により、疲れやすくなります。
これらの症状は、血糖値がかなり高くなってから現れることが多いため、症状がないからといって安心せずに、定期的な健康診断を受けることが大切です。
糖尿病の種類について
糖尿病は、原因や病態によっていくつかの種類に分類されます。
- 1型糖尿病・・インスリンを分泌する細胞が破壊されることで発症します。
- 2型糖尿病・・インスリンの分泌不足やインスリン抵抗性が原因で発症します。
- その他の特定の原因による糖尿病・・遺伝子の異常、内分泌疾患、膵・肝疾患、薬剤などが原因で発症する糖尿病です。
- 妊娠糖尿病・・妊娠中に初めて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常です。
糖尿病の治療法について
糖尿病の治療は、良好な血糖管理を長期にわたって維持し、合併症を予防することを目的としています。治療法は、食事療法、運動療法、薬物療法の3つが基本となります。
食事療法
食事療法は、血糖管理の基本となるものです。バランスの取れた食事を規則正しく摂ることが重要です。具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 1日の摂取エネルギー量を守る・・医師や栄養士の指示に従い、適切なエネルギー量を摂取しましょう。
- 栄養バランスを考慮する・・炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂取しましょう。
- 食物繊維を積極的に摂る・・野菜、きのこ、海藻などを積極的に摂り、食後の血糖値上昇を緩やかにしましょう。
- 規則正しい食生活を送る・・1日3食、時間を決めて食事を摂りましょう。
- 間食を控える・・甘いものや脂っこいものは控えましょう。
当院では、管理栄養士による栄養指導も行っております。患者さんのライフスタイルや好みに合わせた、無理のない食事プランをご提案いたします。
運動療法
運動療法は、インスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる効果があります。また、体重減少や心肺機能の向上にもつながります。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を中心に、筋力トレーニングも取り入れると効果的です。
運動を行う際には、以下の点に注意しましょう。
- 運動前に医師に相談する・・持病がある場合や、血糖値が不安定な場合は、必ず医師に相談してから運動を始めましょう。
- 無理のない範囲で行う・・最初は軽い運動から始め、徐々に運動強度や時間を増やしていきましょう。
- 継続することが大切・・週3回以上、1回30分程度の運動を目標にしましょう。
薬物療法
食事療法や運動療法だけでは血糖管理が難しい場合、薬物療法を行います。糖尿病の薬には、様々な種類があり、患者さんの状態に合わせて適切な薬を選択します。
- 経口血糖降下薬・・飲み薬で、インスリンの分泌を促進したり、インスリン抵抗性を改善したりする効果があります。
- インスリン製剤・・インスリンを直接補充する治療法です。1型糖尿病の方や、経口血糖降下薬だけでは血糖コントロールが難しい方、妊娠中の方などが対象となります。
- GLP-1受容体作動薬・・血糖値を下げるホルモン(インクレチン)の作用を増強する注射薬です。食欲を抑える効果もあり、肥満を伴う糖尿病の方に適しています。
薬物療法を行う際には、医師の指示をしっかりと守り、副作用に注意しましょう。
糖尿病についてのよくある質問
Q1. 糖尿病は遺伝しますか?
A1. 糖尿病になりやすい体質は遺伝することがありますが、生活習慣も大きく影響するため、必ずしも遺伝するとは限りません。ご家族に糖尿病の方がいる場合は、より注意して生活習慣を改善することが大切です。
Q2. 糖尿病を放置するとどうなりますか?
A2. 糖尿病を放置すると、高血糖が長期間続くことで、様々な合併症を引き起こす可能性があります。代表的な合併症としては、網膜症、腎症、神経障害などがあります。これらの合併症は、視力低下、腎機能障害、手足のしびれや痛みなどを引き起こし、生活の質を大きく損なう可能性があります。また、動脈硬化も進行しやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高まります。
Q3. 妊娠糖尿病と診断されました。赤ちゃんに影響はありますか?
A3. 妊娠糖尿病の場合、血糖管理が悪いと、巨大児、新生児低血糖、肩甲難産などのリスクが高まる可能性があります。しかし、適切な食事療法や運動療法、薬物療法を行うことで、これらのリスクを減らすことができます。当院では、産婦人科医と連携し、妊娠糖尿病の管理を徹底していますので、ご安心ください。
院長より
糖尿病は、早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。初期には自覚症状がなくても、放置すると様々な合併症を引き起こし、健康を大きく損なう可能性があります。当院では、患者さん一人ひとりに寄り添い、丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけています。食事療法や運動療法のアドバイスはもちろん、薬物療法についても、患者さんの状態やライフスタイルに合わせて、最適な治療法をご提案いたします。
また、当院は内科と産婦人科を備えているため、妊娠糖尿病の管理にも力を入れています。妊娠糖尿病は、母体だけでなく胎児にも影響を与える可能性があるため、早期発見と適切な管理が非常に重要です。当院では、産婦人科医と連携し、妊娠糖尿病の管理を徹底していますので、妊娠中の方も安心してご相談ください。
「もしかして糖尿病かも?」と思ったら、お気軽にご相談ください。早期発見・早期治療で、健康な生活を取り戻しましょう。